注意したい「スマホ脳過労」

日本でスマートフォンが普及し始めたのは2010年頃からで、最新の調査では、スマホの個人保有率(15-69歳が対象)は約8割に達するそうです。

▷ 総務省 平成30年度版 情報通信機器の保有状況

たったの10年にも満たない年数で、爆発的に普及したスマートフォン
(以下、スマホ)。


ほとんど場所を選ばずにネットへのアクセスが可能であり、数々のアプリを使用できる上に携帯電話に比べて利便性がはるかに高く、それはまさに持ち歩くことのできる小さなパソコンであり、デジタルなおもちゃ箱のようです。

便利なスマホの負の側面

その利便性の高さゆえに急速な勢いで普及が進んだスマホですが、便利さの影にはやはりマイナス面もあるようです。

だいたいの物事には、善悪が表裏一体セットとなっているようですね。

スマホによる弊害のフィジカル面の代表的なものと言えば、スマホを持つ時の姿勢の悪さから来る肩こりや猫背の悪化、視力の減退などが挙げられます。


また、スマホを凝視し過ぎて他人とぶつかったり、電車のホームに落ちてしまうなどの重大な事故にもつながります。

スマホを見ながら自転車に乗って人や物にぶつかったり、転んでしまう人もいるそうです。


スマホに集中し過ぎると、他への注意力が散漫になるため危険な場合も多いもの。

ですが肉体の外だけではなく、肉体の内側である脳や精神にまで、使い方によっては相当な影響を与えているようです。

スマホによる「認知機能の低下」とは

スマホの使い過ぎは、認知機能の低下=脳の過労を引き起こします。

スマホが原因で脳過労に陥った場合、脳の血流が減って機能が鈍ってしまい、脳の機能低下を招いてしまうそう。


私の周りでも多く見られますが、暇になるとすぐにスマホを取り出して時間をつぶす人は、そう珍しくはありません。

電車の中でも病院などの待合室でも、紙の本を読んでいる人など今時珍しく感じてしまうくらいに、色んな場所でスマホを触っている人を多く見かけます。


脳には、ぼんやりするときに活発化する「デフォルト・モード・ネットワーク」という回路があり、それは情報を整理する役割を担っているのだそうです。

脳の情報処理には、次の3つの段階があります。

◇ 情報を入れる「インプット」
◇ デフォルト・モード・ネットワークによる「整理」
◇ 話すなどの「アウトプット」

これら3つの機能を正常に働かせるためには、適度に脳を休ませる必要がありますが、常にスマホによって外部からの情報に脳が晒されてしまうと、この「デフォルト・モード・ネットワーク」が行われないために脳内の情報整理ができなくなってしまいます。

この「デフォルト・モード・ネットワーク」は神経のネットワークであり、睡眠時に強く働くそうです。



ただし、これは睡眠中にだけ働くわけではなく、ぼんやりしている時や何も考えずにただ散歩をしている時、無心でお皿を洗っているような時にも、デフォルト・モード・ネットワークの活動が活発になります。

この「考えない時間を持つ=情報に晒されていない時間を持つ」ことが大事です。


スマホ画面を見つめていると、常に情報の波に脳内が侵食されてしまいます。

有益な記事を読んだり、オンラインゲームで遊んだり、アプリを同時進行で並べて見ることも可能です。

暇つぶしや息抜きでやっていることが、知らず知らずのうちに脳の機能を低下させ、疲弊させているのです。

「スマホ脳過労」から脳を守るには

ノーメディア状態をつくる「デジタル・デトックス」を意識的に行うことで、スマホによる脳過労を小さくしていくことが大事です。

少し大掛かりなものだと、デジタル・デトックスを導入しているホテルやサービスを利用する方法もありますが、スマホとの付き合い方を変えるだけでも効果はあります。


以下は、クローズアップ現代で紹介されていた奥村歩 脳神経外科医による簡単なデジタル・デトックスの方法です。

◇ お風呂・トイレ・寝室にはスマホを持ち込まない
◇ 起きてすぐにスマホをチェックしない
◇ 「食事中」「会話中」はスマホを慎む
◇ 検索する前に、自分の頭で1分考えるクセをつける
◇ ネットで調べ物をした時は、手書きでメモを取る
◇ 皿洗いなど無心になれる単純作業を行う
◇ 散歩やひなたぼっこを積極的に行う
◇ 四季折々の食べ物や行事を大切にする         

作成:奥村歩 医師

▷ クローズアップ現代+

こうして見ると、デジタルツールとの距離がまだ遠かった頃、生活がまだまだアナログ主流だった頃の感覚を生活の中に取り入れ、スマホとの関りを自分の意志で少なくしていくことが重要だということがわかります。


ですがスマホ等のデジタルツールが普及し、その使用が日常的なものとして認知された今日の便利な生活は、もはや不可逆的と言えるでしょう。

一度アップグレードされてしまった生活は、元の「便利が当たり前」以前の生活には戻りにくいものです。

しかし便利さや手軽な面白さのために、自分の心身の健康や正常な機能を損なわないよう、自分で自分の身を守りながら便利なツールであるスマホとの付き合い方を今一度考えてみるべきなのではないかと思います。


人生100年時代をスマホ(など今後普及する日常使いのデジタルツール)と過ごして行くには、自分自身の健康をしっかり守りながら、スマホに「使われる」ことなく上手に使いこなしましょう。

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