静かな気持ちになれる本

こんにちは。「あひる シンプルライフ」管理人で、図書館司書のkorino です。

なんだか、しーんと「静かな気持ちになれる本」をご紹介します。

吉本ばなな「キッチン」

小説世界の映像が、目に浮かぶように感じることができる、 とても読みやすい作品です。

吉本さん(現在は、「よしもとばなな」)の小説には、 いつも人と死と宗教との関わりが、色濃く描かれています。

そんな吉本さんの第1作が納められた小説集。

この世界が、今を生きている人間だけのものではなく、 これまで生きてきた人々との繋がりと生の軌跡で 作られていることを実感させられる作品です。

ただ、作品自体は会話のテンポや食事などの日常の風景が細やかに描かれ、身近な人のライトなドラマを見ているかのように感じます。

ここに収められている「キッチン」「満月(キッチン続編)」「ムーンライトシャドウ」も、いずれも登場人物たちにとってとても身近な人の死が題材にされていますが、作品全体の雰囲気がさらりと軽いために重苦しい感じではありません。

主人公のみかげが台所という場所に愛着を持っていること、料理研究家のアシスタント(「満月」にて)として働いていること、大切な人とおいしいものを分かち合いたいと思い、キーアイテムとして登場する「かつ丼」。

これら「食べ物」が示唆するのは、「死」とは反対の「生」です。

切り離すことも忘れることもできない親しい人の死と隣り合いながらも、生きる糧である「食べ物」を通して、登場人物たちの日々の営みが細やかに優しい視点で描かれています。

二度に渡り映画化され、世界25ヶ国で翻訳された一度は読んでおきたいベストセラーです。

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サン=テグジュペリ「星の王子さま」

世界中で愛され続ける名作。

これほどに切なく美しい物語は、他にないのではないでしょうか。

著者が手掛けた挿絵も、物語の繊細な美しさを際立たせています。一見西洋的で乾いたタッチのイラストですが、しかし温かさと親しみをもって物語を飾っています。

出会い、別れ、淋しさ、死。

人が生きていく過程で避けることのできないこれらの情景が、 イノセントに紡がれています。

読み進めるうちに、王子の魂がどうか幸せなものであるようにと、願わずにはいられません。

そして読み終わる頃には、心の中が淡い夕焼けのオレンジ色で満たされるような、切実で懐かしい淋しさと静けさでいっぱいになります。

何度読んでも穏やかな波のように迫る切なさは、苦しさというより美しさに似ていて、この小説だけが持つ静かで不思議な魅力のひとつと言えるでしょう。

何度読んでも数年後にはまた必ず読み返したくなる、そんな大切な一冊になる小説です。

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